大判例

20世紀の現憲法下の裁判例を掲載しています。

最高裁判所第一小法廷 昭和25(あ)1903 決定

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人三ツ木正次の上告趣意について。

論旨第一点の主張は、犯罪の成立を阻却する事由に関する「営利の目的」の有無

を(昭和二四年(れ)第一三四四号同年一二月八日当法廷判決判例集三巻一二号一

九二三頁以下参照)犯罪構成要件であるとの独自の見解の下に起訴状の不備及びこ

れが修正の無効を主張するものであつて、しかも第一、二審において毫も主張しな

かつた主張であり、また、論旨第二点は、第一点の見解を前提として刑訴施行法五

条の規定の一部が失効するとの独自の見解の下に第一審においてした被告人が書面

で弁護人を必要としない旨の申出(昭和二四年四月一三日附和歌山簡易裁判所宛書

面記録五丁参照)を無效であり、従つて、第一審の和歌山簡易裁判所において被告

人のため国選弁護人をつけなかつたことを違法であるとするものであつて、しかも

第一、二審において毫も主張しなかつたものである。されば、いずれも憲法違反と

はいつているが、その実質は、第一審における訴訟手続違反を新らたに上告審で主

張するに帰し、第二審判決に対する上告適法の理由を定めた刑訴四〇五条に明らか

に該当しない。しかのみならず、所論訴訟手続違反の主張は、いずれも単なる独身

の見解に過ぎないものであるから、同四一一条を適用すべきものとも認められない。

従つて論旨第三点も採用できない。

被告人の上告趣意について。

論旨は、結局量刑不当の主張と解されるから、刑訴四〇五条に明らかに該当しな

いし、また、同四一一条を適用すべきものとも思われない。

よつて同四一四条、三八六条一項三号、一八一条に従い裁判官全員一致の意見で

- 1 -

主文のとおり決定する。

昭和二六年五月二四日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 齋 藤 悠 輔

裁判官 澤 田 竹 治 郎

裁判官 眞 野 毅

裁判官 岩 松 三 郎

- 2 -

自由と民主主義を守るため、ウクライナ軍に支援を!